「DREAM 」オフィシャルインタビュー
今年でソロ・デビュー3周年を迎えたYU-A。
前回のオフィシャル・インタビューで語っていた
「夢」をテーマに掲げたオリジナル・アルバム『DREAM』がついに完成。
YU-A自身が描く「夢」とは――
■ソロ・デビュー3周年、おめでとうございます。
YU-A:ありがとうございます。……と言っても、まだ全然実感が沸いていないんですけどね(笑)。
■前回の取材で話していた「夢」をテーマにしたアルバムを5月にリリースする、という話は有言実行のものになりましたね。
YU-A:ド直球にタイトルも『DREAM』。当初は『○○DREAM』や『DREAM○○』もタイトル候補としてあったんですけど、シンプルに『DREAM』で落ち着きました。
■前作となるアルバム『2 Girls』はYU-Aにとってどんな作品になったと思いますか?
YU-A:"私"に気づきはじめた1枚。二面性がコンセプトだったので、私自身を深く掘り下げた作品になったと思います。なので、今作では私自身をさらに深く掘り下げて、リスナーのみなさんにもっと私を知ってもらえる作品になってもらえれば、と思っています。
では、新作『DREAM』のコンセプトを教えてください。
YU-A :私にとって「夢」は、私の大半を占める大事なもので、私のすべてと言っても過言じゃないくらい。幼い頃に描く夢、希望や願い、いま見ている夢……「夢」と一言で言ってもいろんなものがあり、その様々な形の夢を曲で描きたいと思ったんです。語弊があるかもしれないんですけど、私の「夢」に対する想いがこの1~2年で変化が起きたんです。「この夢を叶えよう!」や「よし、行くぞ!」という前向きさや勢いが、いまは失われてきているような気がして。大人になれば現実も見えてくるし、知りたくなくても知り得てしまう自分もいる。でも、そうなりたくないから一喜一憂するわけで、そこで自信を持てた反面、自信もなくした1~2年で、それを等身大で歌ったのが表題曲の「DREAM」です。
■「夢」に対する理想と現実が見えた、ということですか。
YU-A:夢をあきらめたことは一度もないんですけど、一瞬の迷いや突然襲われる不安、物事が思い通りに進まなかったり……。いま背負っているものを下ろすことはいつもできるじゃないですか。「私、もう仕事やめます」、いろんな人に迷惑をかけてしまうけど、できないことはない。私が自ら夢を放棄してしまうことは絶対にしないけど、闘いはありました。改めて、夢は叶えていかないと、って強く思えたんです。
■その「夢」を話してください。
YU-A:やだ!声に出して言うのは恥ずかしい(笑)。今回のアルバムはツアーも含めて制作したんです。幼い頃に何かを見たときの感動、初期衝動、そういったものをアルバムのイントロから感じてほしくて。すべてを聴き終えた頃には疲れて抜け殻状態みたいになってしまう作品かもしれないけど(笑)、聴く人たちの気持ちを刺激しながら、ラストまで辿り着いてほしい。極論、最後の曲「oyasumi」の途中で寝て、夢の中に行ってもらって構いません(笑)。でも、何かに気づくきっかけや、あきらめかけていたことにストップをかけるような、そんなアルバムになってほしいと思っています。
■アルバムのジャケットについて窺いますが、頭上にあるシャンデリア・アートは「片想い」のミュージック・ビデオの冒頭に出てくるシャンデリアと一緒ですよね。
YU-A:そうです。そのシャンデリアが私の"脳内"を具現化したものなんですけど、そもそも「YU-Aの脳内を見てみたい」って言われることが多いんです。見せられるものならいつでも見せるよ! と思っていたんですけど、今回は「夢」というテーマだったので、脳内を見せるにはいいチャンスかな、って思って(笑)。でも、その脳内をどうやって表現すればいいだろう……? って考えていたときに、私が昔ファイリングしていたシャンデリア・アーティストの方の切り抜きを思い出して、それを手掛けていた方がキム・ソンヘさんだとわかり、すぐ連絡をしました。私のテーマを話したらキムさんも快い返事をしてくださって、そこから私の"脳内"を作っていってもらいました。
■実作業はどのように進んだのですか?
YU-A:私が依頼したことであってもキムさんの作品なので、私が追加してほしい素材を渡しつつ、彼女の感性をそのまま活かしてもらいました。そのシャンデリアに逆さまに人形がぶら下がっているんですけど、私の要望として「まっすぐに人形を加えるんじゃなく、犬神家っぽく"逆さま"にしてほしい」ってお願いをしたんですよ。そしたらキムさんから「YU-Aちゃん、びっくり! ちょうど私いま逆さまに付けてたところだったの!」って連絡があって(笑)。今回お仕事でご一緒できたのもひとつの運命だったのかな、って思いました。
■収録曲に関してですが、リード・トラック「片想い」はかわいらしいダンスと笑顔で踊るYU-Aが印象的でした。
YU-A:初めてのセットでの撮影、初めての片想いソング、そして初めての"笑顔"での撮影になりました(笑)。カラフルなセットに映像、踊りすぎて靴が壊れてしまうくらい収録はとっても楽しかったです。胸がキュンキュンする感じの曲調でありながら、ダンスのパートも楽しめる作品になったと思います。
■リスナーへの感謝の気持ちを歌った「LINK」が生まれた背景を教えてください。
YU-A:この曲はファンのみんなを想いながら作った曲です。生まれた場所も育った環境も違うけど、私の音楽を通じて同じ方向を向き、同じ空間に集まる。そこで過ごす時間はかけがえのないものだと思うんです。「ファンのみなさん、いつもありがとう!」という表現じゃなく、もっと違う私なりの形で表現しました。自分自身、コミュニケーションの取り方がヘタだけど……そのなかでも少しずつ心が通じ合える瞬間はあって、それは私がみんなに心を開いている証拠でもある。何事もリンクしていくためには、面倒だけど、自分からぶつかって心を開いていかなきゃダメ、っていう気持ちをもとに書きました。
■前述の「夢が叶う遊園地へようこそ!」的な「INTRO」から幕を開けるアルバムですが、YU-A史上もっともバラエティに富んだ作品になったのではないでしょうか。
YU-A:「HAPPY BIRTHDAY ~Celeblation~」は誕生日の人に向けたワイワイ騒げる曲。「I want You」はBUZZER BEATSのSHIMIさんにお願いしたヒップホップ・トラック。「SWITCH」は海外のプロデューサーのアッパーなトラックでMY NAMEをフィーチャーした曲……確かにいままの作品の中では一番サウンド的にも幅広いアルバムになったと思います。
■そしてアルバム終演をしめくくる「oyasumi」は幻想的な一曲です。
YU-A:これはもう私の趣味曲です(笑)。前作から落とされた曲でもあるんですけど、「oyasumi」のような曲をファーストの頃からずっと作りたかったんです。今回『DREAM』ということで、ようやくテーマにつなげることができて収録することができました(笑)。私にとっての癒しソングで、ベッドに埋もれながら沈んでいく曲。紺色……群青色のイメージの曲かな。
■YU-Aの「夢」の色は?
YU-A:わー、何色だろう。その時々で違うけど、群青色か、すごいパステル・カラー……夜空や深海のイメージ。さっきも話しましたが、「oyasumi」を聴きながら寝てもらって構わないので(笑)、これで眠りについて本当の夢を見てほしいです。
■これからワンマンも控えていると思いますが、今回はどんなパフォーマンスを?
YU-A:ワクワク感から始まって、ドキドキがある。ライヴが終わったらボーッとしちゃうような非日常の時間を提供したいです。"非現実"の中で"現実"を見てほしい。そして、いま闘っている自分の逃げちゃいけないものと向き合ってほしい。決して難しいことを言っているわけではなく、イヤなことはすべて忘れて楽しんでほしいけど、そこでいろんな自分の可能性を感じ、発見して、向き合ってほしいです。
■夢を実現させるためには、現実と向き合う時間も大事、ということですよね。
YU-A:私自身が夢を信じているから。このアルバムを聴いてくれる人たちは、私を信じてくれていると思うんです。何かに共感し、何かを求め、そして夢を信じる気持ちを持っていると思う。その私の"想う"強さが伝わってくれたらうれしいですね。
■最後に、YU-Aにとって「夢」とは?
YU-A:生きる活力です。私に夢がなければ、きっとアーティストにもなっていなかったし、どこに向かえばいいかもわからない人間になっていたはず。そう思うと、夢があるから毎日こうして生きていられるんだな、ってつくづく思います。