木根尚登20周年記念ベスト リメークソロ「キネソロ」
木根尚登
発売日:2012年09月26日
商品番号:YRCN-95203
本体価格:
3,143円(税込)
20周年記念ベスト リメークソロ "キネソロ"
木根尚登ソロデビュー20周年記念、4作連続ベストアルバムの完結編である本作は、
1st Decadeとも言える、EPICソニー時代(1992年~2000年)の楽曲をリメーク。
木根尚登が演奏するエレキピアノとエレキギターを中心にしたシンプルなアレンジでまとめた12曲。
ファン投票にて選ばれた、ファンにはおなじみ、そして評価の高い楽曲たちが勢ぞろい。
「ホントの君 ウソの君」
僕の小説を原作にした劇場用アニメ『ユンカース・カム・ヒア』の主題歌でした。他にも主題歌候補を作りましたが、試聴会で当時のプロデューサーがこの曲を途中まで聴いたところで、これで決まり、と即断。そして、超一流のスタジオミュージシャンやフルオーケストラなど、20年間のソロ・シングルの中もっとも贅沢なレコーディングを行いました。しかし、『キネソロ』ではあの試聴会のときのデモテープに近づく原点回帰しています。
「REMEMbER ME?」
オリジナルは96年。僕とは10代の頃からのつきあいの山本英美くんと90年代のTKサウンドを支えていたバンドNo!Galersによる一発録り。そのあとで小室くんがコーラスを重ねてくれました。イントロの印象的なギターは英美くんのアイデアと演奏です。『キネソロ』では、バンド練習の休憩時間でしょうか、何を弾くともなくエレキギターを鳴らしていたら、いつの間にかセッションが始まったといったイメージでリメークしています。
「Roots of The Tree」
1stソロ・ミニアルバムの表題曲です。そのアルバム・タイトルで悩んでいるとき、ボイストレーナーのMICHIKOさんにこう言われました。木根さんの名前は恰好良いから、そのまま英語にしちゃえば、Roots of The Treeってどうかしらと。その響きがとても気に入り、イメージを膨らませ、歌詞も書きました。曲調とメロディは、僕が愛してやまないエリック・カルメンの「All By Myself」を意識しています。
「もう戻らない」
93年、TBS系ドラマ『子子家庭は危機一髪』主題歌でした。編曲してくれた清水信之さんとは、当時僕がプロデュースしていた日置明子さんのレコーディングを通じて親交を深めました。その頃の事です、たまたま手にした音楽雑誌に清水さんのインタビュー記事が…。5年以内に木根尚登の時代が来る!!と発言されていて、びっくりするやら、嬉しいやら。あれから約20年。そろそろ僕の時代が来ても良さそうなものだと思っています(笑)。
「泣かないで」
僕のソロ・デビュー曲です。アマチュア時代はたまに作詞をしていましたが、作曲に比べると、それほど熱心だったわけではありません。そんな僕が作詞もしています。当時のプロデューサーが背中を押してくれたおかげでした。ただ、小説は空想でも書けたのに、歌詞は実体験からしか書けませんでした。この歌詞の情景はほぼすべて実話。そして、初めてのソロ・ライブの1曲目もこの曲。鍵盤の上で指が震えていたのを思い出します。
「思い出はクレセント」
これは作曲したときからボサノバでした。ボサノバ通ではありませんが、中学時代から映画音楽やイージーリスニングも好きだったので、知らず知らずのうちに馴染んでいました。『キネソロ』のレコーディング中、せっかくのリメークだからオリジナルと違うものにしなければならないと、アレンジの方向性で悩んだときがありました。しかし、メロディの良さを最大限伝える事が肝心だと、この曲のおかげで原点に立ち戻る事ができました。
「Close to the night」
「REMEMbER ME?」「Bless this Love」と同時期の曲です。そもそもは僕のアルバム用に書きましたが、小室くんのかげで大賀埜々さんへ提供する事になりました。作詞をしながら小室くんがこう言いました。「いろいろな事は夜に生まれるんだよね」と。「歴史は夜作られる」をもじったのでしょうか。僕と大賀さんのバージョンでは歌詞が異なります。木根版は、サビの歌詞を小室くんが書き、残りは彼の言葉を手がかりに僕が書きました。
「Bless this Love」
96年のアルバム『REMEMBER ME?』の収録曲です。あの夏、小室くんとレコーディングするため、山本英美くんとロスへ。当時の小室邸へ行くと彼は留守。時間を持て余した英美くんが庭のプールで泳いでいるところへ小室くんが帰宅。「あ、泳いでるんだ」「あまりにも気持ち良さそうだったので」「ふーん」「駄目でしたか」「僕はいいけど」。僕は?いいけど?何やら引っかかります。あ、すでに文字量オーバー。この結末はライブのMCで…。
「UNKNOWN TOWN」
僕がサウンドトラックも担当した映画『キリコの風景』の主題歌でした。主演は杉本哲太さんと小林聡美さんで、恥ずかしながら僕も少しだけ出演させていただきました。この曲を森口博子さんが気に入ってくれ、02年のミニアルバム『RUNNING ON』には「UNKNOWN TOWN featuring 森口博子」として収録しています。お茶の間では元祖バラドルのイメージが強い彼女ですが、僕の中では素晴らしい女性シンガー以外の何ものでもありません。
「風 太陽 海」
95年から僕が司会をしていたNHK教育テレビ『日曜ソリトン夢ときどき晴れ!』テーマソングでした。『キネソロ』のコンセプトの1つでもある、デモテープへの回帰、を形にできた1曲です。僕、サウンドプロデューサーの中村修司くん、妙齢のドラマー(本作ではジャンベとカホンですが)なかのくみさん、この3人編成を基本にしました。時代と逆行しているのかもしれませんが、僕はどうしてもこういうハンドメイドな音に惹かれます。
「GATE」
この曲のテーマは毎日がオーディション。アマチュア時代はオーディションの日々でした。ときには作曲賞やグランプリも獲得しましたが、落ちる事も普通でした。TMはそろそろ30周年、ソロは20周年ですが、今も変わらず毎日がオーディション。その初心を思い出させてくれる曲です。オリジナルは「レイラ」を意識しましたが、ここでは「トップ・オブ・ザ・ワールド」かな。デレク・アンド・ザ・ドミノスがカーペンターズになりました。
「誰かが君を愛してる」
テレビ朝日系『目撃!ドキュン今夜の決断』エンディングテーマでした。実はこの曲のデモテープを親しい女性シンガーに渡すと、とても気に入ってくれ、作詞も進んでいましたが…。やっぱり僕が自分で歌いたいとなり、ご迷惑をかけました。そして、ソロ・シングル制作のため、同じデモテープを作詞家の売野雅勇さんに渡すと、そこでも非常に気に入ってもらえ、素晴らしい歌詞を提供していただきました。なので、僕の中では伝説のデモテープと呼んでいますが、今は手元にないのが残念です。