2012.04.18 Release
木根尚登20周年記念ベスト リマスターソロ「キネベス」
商品番号:YRCN-95201 本体価格: 3,143円(税込)
ソロデビュー20周年を迎える木根尚登。2nd decadeとも言える2001年から2010年にかけて発表した楽曲から、リクエストで選ばれた12曲を、1位「春を待つ」から投票結果通りに構成。季節なら秋が好き、朝日より夕日が好き、友達とわいわいやるのも嫌いではないが独りの時間も悪くない、他人の短所を見つけて戒めとするより長所を見つけて教訓にしたい、そんな人柄が見え隠れするソロベスト。
「春を待つ」
作詞:木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司・木根尚登
小室があの事件を起こしたとき、マスコミを含め各所からコメントを求められました。できる限り誠意をもって対応したつもりですが、言葉とは難しいものです。僕の真意が伝わったり、歪められたり。だから、歌にしました。不思議です。ギターを抱え、彼の事を歌おう、彼に伝えたい事を歌おうと思ったら、歌詞とメロディが同時に出てきました。一瞬も立ち止まらず完成しました。その瞬間、僕は彼とまた一緒に音楽をやりたいと、心の底から思っていました。
(2009年シングル「春を待つ」)
「MY BEST FRIEND」
作詞: 木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
この曲の原形は、TM以前にやっていたバンドSPEEDWAYの活動を休止し、TMを結成するまでの時期に作った曲です。アレンジは小室哲哉でした。作曲家として、ソロアーティストとして、各方面に売り込むために作ったデモテープに収録した1曲です。あれから20年以上が経ち、当時からの友達がそのテープを見つけ、今やるべきだと勧めてくれました。ただし、歌詞は全面的に書き直しています。
(2005年シングル「MY BEST FRIEND」)
「青空」
作詞:小室みつ子 作曲:木根尚登 編曲:溝口和彦
9.11を僕の中で風化させないために作った曲です。メロディーに込めたその思いを、作詞家の小室みつ子さんにも伝えました。自分自身に対し、歌い続けるんだぞ、と言い聞かせて作った曲なので、10年間歌わなかった年はありません。平和を考えるシンポジウムでこの曲を歌ったとき、ステージを降りると、外国人の年配の女性からハグされました。誰かが僕のMCと歌の内容を通訳してくださったようです。著名な大学教授であるらしい彼女は、「サンキュー」とやさしく抱きしめてくれました。
(2001年ミニアルバム『徒然』収録)
「ノックは3回」
作詞: 木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
いじめをテーマにした曲です。07年の10月と11月にNHK「みんなのうた」でオンエアされました。同じテーマで、96年には小説『P』を書いています。こちらは高校の国語の教科書に載せてもらいました。幼稚園のとき、なぜかわからないけど、ある子を指さし、「この子を仲間ハズレにしよう」と言いました。結果は、僕が仲間ハズレに。あのときの孤独感はいまだに鮮明に残っています。人間として大切なものを、あの孤独感の中で学んだ気がします。
(2007年シングル「シングル「ノックは3回~Knock Three Times~」収録)
「桜ケ丘」
作詞: 木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
お母さんの歌はたくさんあるけれど、お父さんの歌は多くないと思ったのが始まりですが、僕にとっては、ある意味、家族の歌です。実際の僕の父親は、この歌詞に出てくるような父親ではありませんでした。日が暮れるまでキャッチボールをしたり、夏休みにキャンプへ連れて行ってもらったりした記憶はほぼ皆無です。そんな記憶がないからこそ書くことができた歌詞かもしれないと思いますが…。友達同士のような親子が理想と言うけど、そうなのでしょうか。
(2007年『道』収録)
「君への道」
作詞:木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
僕の娘が20歳になったときに贈った歌です。20歳の頃の僕は、音楽とバンドに明け暮れ、成人式にもろくに出席しませんでした。でも、あの頃あんなにまで夢中になっていたことに後悔はしていません。だから、あの頃の僕自身にも伝えたかったんです、他人と比べず、自分の道は自分で切り拓くしかないんだよと。平成生まれの子供達も成人する時代になりましたが、僕が伝えたい思いは同じです。
(2007年シングル「シングル「ノックは3回~Knock Three Times~」収録)
「夢のさき」
作詞:木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
2010年4月からは、僕の「武蔵小金井からの手紙」が、そして7月からはこの曲が日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」のエンディングテーマとしてオンエアされました。メロディやアレンジはカーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」をイメージしています。わかりますか(笑)。待っているだけの人生はもったいないと思います。ぶらりと外へ出てみたら、ステキな偶然と出会えるかもしれないのに。
(2010年シングル「夢のさき」)
「浮雲」
作詞:前田たかひろ 作曲:木根尚登 編曲:中堅工房
メロディを作るときに思い浮かべたのはビリー・ジョエルです。彼がピアノの鍵盤を叩くように弾きながら歌う姿でした。僕もああやって歌える曲が欲しいなと。作詞は90年代に小室が紹介してくれた前田たかひろ君。前田君はこう言っていました。自分が思う木根尚登像を書いてもいいですかと。それはつまりTM NETWORKの木根尚登とは異なるイメージを書きたいという申し出だと受け止め快諾しました。事実、もしも僕が作詞していたら使わない言葉が出てきます。
(2001年ミニアルバム『浮雲』収録)
「ポニーテール」
作詞:前田たかひろ 作曲:木根尚登 編曲:松尾和博
アレンジを担当してくれている松尾和博くんは、90年代のTKヒット曲のギターを、ほぼすべて弾いているギタリストです。本作と同時発売の『キネバラ』でも、アレンジ&ギターで大活躍してくれました。その松尾くんも一員である中堅工房という集団が「浮雲」のアレンジも手がけてくれました。あれから10年。中堅達は独立し、いろいろな音楽の現場で活躍しています。自由な空気と充実した環境の中で若手を育てたのは、小室の見えざる功績だと思います。ちなみにこの曲の原形は、僕がプロデュースしていた日置明子さんに書いた曲。
(2001年ミニアルバム『浮雲』収録)
「RUNNING ON」
作詞:木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:末原 靖
収録曲はリクエストで決定しましたが、この曲のランクインは意外でした。投票の中間報告では「観覧車」というラブソングのランクインが有力でした。ところが、サッカーにたとえるなら、アディショナルタイムに逆転弾を決められたかのようにこの曲が締め切り直前に得票を伸ばしました。もしも人生に脚本家がいるなら、唸らせる展開を書くものです。ちょうど日韓共同開催サッカーワールドカップの時期だったこともあり、僕の中ではそれの私的応援歌として作りました。
(2002年ミニアルバム『RUNNING ON』収録)
「色づく街に」
作詞:木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
思い返してみると、知人の一言がきっかけでした。でも、その一言に胸を大きく揺さぶられたとか、必ず歌にすると強く思ったとかではありません。あれは日常の一コマでした。ただ、曲を作ろうとしたとき、自分の胸の扉を開けてみたら、その一言がポツンと残っていたというか…。帰り道がわからなくった迷子みたいにそこに佇んでいました。あ、あのときの…。そう思った瞬間、歌詞とメロディが淀みなく出てきました。♪僕が守る 君を守る、あのフレーズも自然と出てきました。
(2007年シングル「シングル「ノックは3回~Knock Three Times~」収録)
「空につづくロマンティック」
作詞:木根尚登 作曲:木根尚登 編曲:中村修司
曲としては、あくまでも何となくですが、荒井由実さんをイメージしています。わかる人にはわかるかもしれません(笑)。僕の場合、作曲していると、なぜかミディアムからスローにかけての曲になりがちなので、ここは1つと発起して、アップテンポを作ろうと意識して作りました。歌詞に登場するのは大人の男女。長くつきあっているのに「手をつないでいい?」なんて照れてしまうけど、歌でなら言えます。
(2005年『LIFE』収録)